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「低予算なのに高品質」を誉めてはいけない [映像・芸術]

第96回アカデミー賞で2つの快挙が報じられました。

宮崎さんのアニメが評価されたのは、
もちろん作品の良さが認められたのだと思いますし、
昨今のハリウッドのポリコレ問題へのアンチテーゼな気もします。

驚いたのは、『ゴジラ -1.0』の「視覚効果賞」の受賞です。
(私は『SPACE BATTLRSHIP ヤマト』を観て以来、
 山崎貴監督に対して否定的でした。すみません)

ゴジラの受賞を伝えるネット記事の中に、ちょっと気になるものがありました。

『「ゴジラ -1.0」ハリウッドの救世主だった
   映画プレゼンター解説「空いた映画館をゴジラが埋め…」』

                    スポニチ Sponichi Annex より

書いてある記事の内容はまあ、そう言うことなんでしょう。
ただ、低い予算なのに高いクォリティだから評価された、
というニュアンスに私は引っかかったんです。

見方を変えれば、
「ハリウッドの1/10の給料で日本のクリエイターは仕事をしていた」
と言うことになりますよね。
(2014年の作品と比べているようなので、実際の差はもっと大きいでしょう)

ここをもっと問題視して欲しい!

日本の賃金は安すぎるのです。
クリエイター個人個人が安月給に歯を食いしばって耐えた上で実現した品質です。
美談なわけがない。悲劇です。

末端のクリエイターには、この受賞は何ももたらしません。
ささやかな満足感が残るだけです。

宮崎さんの作品だって同じこと。
動画マンや仕上げ担当は「1枚数百円」とかで絵を描いていて、
どんなすごい賞をとっても後からこの値段が変わることなんてないんです。

悪い条件の中で工夫する、という日本人の器用さは誇れるものですが、
その見返りは小さな名誉だけであり、生活には結びつきません。

それでいいのか?日本よ。

ギブミー高給!

あ、本音が出たので終わります。。。



末筆ですが、
関わったスタッフの皆さん、
おめでとうございます!
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