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『差』ではなく『違い』 [アニメを作る]

秋アニメも終盤に差し掛かる師走の始め。
みなさまいかがお過ごしでしょうか?

さてそんな時期ですが、私が今観ているアニメで一番楽しみにしているのは

「ぼっち・ざ・ろっく!」です。

私はギャグアニメが好きなので、
この作品では毎回大笑いさせてもらっています。

もっとも、この作品を単に”ギャグアニメ”とくくるのは間違っていますが。

楽曲も演奏シーンもとてもイイ!
多分おじさんでも楽しめます。
おじさんが言うのだから間違いない。

もう一つ、待ち遠しい作品が

「不徳のギルド」

最近増えてきた”エロ”系アニメですが、
とても丁寧に作られていて、
観ていると内容に反して心洗われる作品。

あとは
毎週が劇場版、別格クォリティの「ベルセルク 黄金時代編 MEMORIAL EDITION」
(詳細はこちら
安定の品質「SPYxFAMILY」

「うる星やつら」は。。。
う〜ん、ちょっと微妙です。
個人的には、現代に合わせてアレンジした新しい作品となることを期待していたのですが、
内容はほぼアニメ一期のまま。黒電話が出る始末。
それじゃあ懐古主義のおじさんにしかウケないんじゃないかなあ。
単なるリメイクであり、今やる意味があったのかちょっと弱い感じ。

そして「艦これ いつかあの海で」ですが…
私を含めた提督(ゲームのプレイヤーのこと)以外をまるで無視し、
説明を一切省いた内容はまあ、良いとしても、
とにかく常に危機感に煽られて鬱々とした雰囲気は疲れちゃいます。
史実を知らない人には目的が分かりにくいし、
史実を知っている人には良い結末が最初から見えません。

他にももちろん、面白いアニメ作品はありますが、
挙げていたらキリがないのでこの辺で。


さて。
昨今、制作が間に合わなくて放送スケジュールが壊れる作品が出ています。
具体的には、
「異世界おじさん」
「ゴールデンカムイ」
「艦これ いつかあの海で」

長い国内アニメの歴史の中で、危うい状況になった作品は
実はいくつもあります。
ちょっといたたまれないので作品名は記しませんが、
原画に色をつけただけで放送することは珍しくなかったのです。
(通常は動画に色をつける。原画だけだと紙芝居状態になる)

品質を落としてまでも放送したのは契約の縛りがあるからですが、
それが今は破られることも数を増やしている、と。

過去もそうですが、『パッケージ版』(VHS・DVD・Blu-ray等の製品)として発売する際、
手直しする時間的な余裕があるため、放送はとにかく間に合わせることが優先されてきました。

しかしこの数年で、放送の品質を落とすことが許されなくなってきているのかもしれません。
いちいち絵を止めてチェックする「作画崩壊警察」がいるためか、
またはインターネットで簡単に不具合が広まってしまうためか、
あるいは納品の条件が厳しくなっているのか。

制作サイドである私にもその理由は明確ではありませんが、とにかく、
数年前では考えられないほど、スケジュールの破綻が増えているのです。

そう、上に挙げた作品の、放送できない理由は漏れなく
「スケジュールの破綻」と思われます。(真相は知りませんが…)

そもそもアニメのスケジュールは基本的にグダグダです。

最後は何とかやっつける。間に合わせる。
落としたらどうなるか(ガクブル)
…ずっとそう言われてきたので、実際に落とした作品を私は知りませんでした。
打ち切り、とかはあるんですけどね。

スケジュールが破綻する理由はいくらでもありますが、
本当に単純に『間に合わなかった』と言うことです。

本来、どんな理由があるにせよ、間に合わないじゃあ済まないハズなのです。
”事実”は私の理解を遥かに超えたところにあるようです。
あとはもう、自分が同じことにならないよう、頑張るしかありません。
(今現在、2024年放送のシリーズ作品のメインスタッフとして机に向かっています)


長くはなりますがアニメでもうひとネタ。

先日、あるまとめサイトでアニメ作品の描写についての記事を見ました。

それは「ビールの入ったジョッキ」についてのこと。

2つの作品を比べ、片方の描写が甘いと指摘されています。
かなりバカにするようなこき下ろし方をしているのですが、
こう言う記事を真に受けてはいけません。

いえ、ビールの表現の状態そのものは言われている通りです。
見るべき点は、『作品に合わせた描写の仕方』なのです。

ただただリアルに、細かく、緻密に描き込むことが全ての作品において正しいわけではありません。
2つの作品は世界観も主張も視聴対象も違います。
どちらにも同じ正解があるわけではない。
当記事のタイトルで示した通り、
これは『品質の差』ではなく、『主張の違い』なのです。
それすら解っていない人がワケ知り顔でネットで自論を展開している。

まあ、何を言おうが自由だと、この国の建前はそうなってますが、
だからこそ、発言には責任を持たなくてはならない。
かの記事を上げた人は、この恥をしっかり受け止めなくちゃならないんですよ。

試しに以下のキーワードで検索してみてください。

『ぼっち・ざ・ろっく! チェンソーマン ビール』

ご自身の目で確かめてください。
キャラデザインや状況を見て、どんなプロップ表現をするのが適切か。
何を見せるシーンで、視聴者に何を見てほしいとスタッフが考えるか。

アニメの奥はもっと深いのです。
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