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景気を上げるための個人的見解(長文) [ぼやき]

昨年(2021)の引っ越しを経てつくづく、
何をするにも金が掛かるという事を実感しました。

参った。。。

地道に働いてきましたが、
蓄えはありません。
特に金を使う生き方をしてきたわけではありませんが、
老後の生活を安心して送れる何の要素も持ち合わせていません。

夢を諦めていないので生きていられますが。

さて。
こんな境遇は珍しくもなんともないでしょう。
しっかり働いているのに楽な生活を送れない人は沢山います。
(ホリエモンに笑われそう)
特にこの国、日本には。

もっと貧しい国はいっぱいあるって?
そういう国は全員が貧しいですが、
日本は基本的に貧しい国ではありません。

若者が車を買わない、なんてハナシは飽きるほど聞いてますが、
本音を言えば「買いたくても買えない」って事なんじゃないですか?

日本では企業努力によって、
高品質なものが低価格で買えるようになりました。

そんなこの国であっても、
自動車の価格の上昇は驚くほどです。

バブルを経験した方々であれば、
かつて原付スクーターがホームセンターで¥39800で手に入ったことや
スズキのアルトが¥47万で宣伝されてたことや、
新しいところで言えばマツダのロードスター(当時はユーノス・ロードスター)が
¥200万以内で売り出されたことを覚えているでしょう。
(全て新車価格)

令和4年の現在、
自動車の安全基準はそんなバブルの前後とは比べものにならないほど高くなり、
それをクリアするための開発費も部品代も価格を引き上げる大きな要素となります。

そんな訳で単純に、自動車の値段は上がりました。
軽自動車なんて¥200万を超えることが当たり前に感じるほど。

しかし、日本のサラリーマンの平均給与は、バブルの頃とそれほど変わっていません。

いやあ、それじゃあ自動車なんて買えないよね。
メーカーだって、値段を下げることはできない。
(個人的には、自動車の値段は適正価格だと思っています)

そんな悲観するしかない日本経済を、どうやったら立て直せるのか?

あの池上さんも、
「企業の業績は悪くない。給料が上がらないのは内部留保の多さが原因」
と言ってます。

じゃあ岸田さんが言うように、企業に対して最低賃金を上げろー、
とか言うのが打開策になるのかと問われれば、
それは無理でしょう、とほとんどの人が答えるはず。

お隣の国の問題指導者の政策がどんな状況を生み出したか、
なんてことを考えるまでもなく、あまり意味のないやり方としか思えません。



ということで。。。

私が思う、不景気経済への一手は、

『日本版”マイスター制度”』です。

マイスター制度とは、ドイツにおける、職業の能力資格認定制度のことです。
(Wikiこちら

日本にも厚生労働省が主導する「技能検定制度」や
各自治体が運営する同様の制度があるらしいですが、
それ、みなさん身近に感じることありますか?
何か収入に関係あるのかな?

日本の経済において、単に数千円、月給が上がったところで
景気が良くなることはないでしょう。ないですよね?

もっと大きく、例えば給料1.5倍とか、2倍とか増えないと、
生活を変えようがありません。
しかしもし、ただ企業に対して給料を倍にしろ、なんて法律ができたら
企業がもちません。
大量解雇で無職が溢れ、とんでもないことになるのは隣を見ても明らか。

ところが、みなさん割と高いものを買えてたりしませんか?
あなたではなく、周りにいる人。
SNSのウソ情報ではなく、実感として。

お金、持ってるでしょう?
企業だけでなく、一般家庭でも。

貯金を美徳とするのは日本人の慎重さや
ある時期の政府の戦略によるものだったりしますが、
なんだかんだ言って実はお金を持ってる、って人も少なくないんだと思います。羨ましい。

タンス預金なんて言葉を聞いた事があるでしょう。
使わなければ金は死んでるのと同じです。
貯めたくなる気持ちももちろん分かりますが。
(貯めたくても貯められない。。。タンスすらないし)

景気が良くなる、とはどうゆう状況かと言うと、
みんながお金持ちになる、と言うことでは全くなく、
『お金が常に動いている』と言う状態を指します。
つまり、国民が(企業も含めて)お金を”貯めて”いるだけでは決して景気は良くなりません。

さて、長い事脱線しましたが、
マイスター制度で何をどう変えるのかを考えてみましょう。

国が、より細かい職業において、
一定以上の技能を有する人に対してそれを認める称号を与える。
(申請するのは企業ではなく、個人)

この称号を有する人は、無条件で最低賃金が上がる。
あるいは、称号持ちは仕事の成果に対してある基準の金額を支給される。
もちろん、負担するのは雇用側である企業。

例えば、マイスターの称号を持つ建築家が作った家は、通常の1.5倍の費用がかかる。
このときの上昇分は建築家に対する賃金に加えられる。
消費者は、より質の高い家を妥当な値段で手に入れる事ができる。

で、いやそんな品質はいらんのだよ。
安いものを組み合わせた手軽な家に住みたいんだ!
と言う人ならマイスターが関与しない、今まで通りの値段の家を発注すればいい。

ここで大事なのは、
『新たな価値を作る』と言うこと。

日本は誠実なその国民性から、
物の価値を低くみることを良しとしてきました。
それ自体は美しい考え方です。悪くない。
でもその代償として、どんなに優れた職人でも、
どんなに優れた感覚や技術を持っていても、
その価値を全面に出し、主張する事は良くないこととして避けられてきました。

だから、高品質でも値段が安い。

こんなにミシュランの星付きの店が多い国なのに、
国民の大多数がランチにワンコインしか出さない。(出せない)
牛丼一杯の値段が数十円上がっただけで大騒ぎ。

明らかにおかしい。

今や日本を抜き、
いずれアメリカも抜いて世界一の経済大国になると言われている中国の人々が
わざわざ日本に来て爆買いして行ったのは、
日本の製品が高品質なのに”安い”からです。

価値に値段が見合ってないのです。

とはいえ、いきなり全ての物の値段を上げてしまっては、
給料の増えていない大多数の一般家庭は破滅します。
そんなの、景気を良くすることの完全に反対ですよね。

だから、安い日本は今まで通り、これまで通り継続です。

その上に、お金を持っている人への選択肢を、
良いものを手に入れたい人への選択肢を、
できるだけ分かりやすく、作ってあげるのです。
しかも、働く人(マイスター)の給料も上がるようにする。(内部留保できないようにする)

長い文章のわりに読む人にどれだけ伝わっているか怪しい物ですが、
言ってしまえばこの発想は自分のことを投影したものだったりするんです。

私の職業は「アニメーションの演出家」ですが、
その仕事で得られる利益は驚くほど安い。
私はこれをとんでもなく理不尽なことと感じています。
高度な専門職であるにもかかわらず、金銭的な評価は低い。

ただ、こうも思います。
未熟であったり、テキトーに流す演出家も存在していて、
そんな意識の低い演出家に高い金を払うのは無意味。
だからそこに賃金の差はありません。(いやそれだけが理由ではないけど)
駆け出しの若者と、すでにベテランの域にある私とで料金は変わらないのです。

そしてその料金自体、駆け出しの若者基準で設定されている。
なんとひどい話でしょう。

私を知らない人がこの文章を読んだら、
こいつは傲慢なヤツだ、と感じるでしょう。

仕方ないです。
何を言っても届くことはない。
でも、これをあなた自身に置き換えたら、
同じような境遇に心当たりはありませんか?

なぜあんな仕事をする奴と同じ扱いを受けるんだ、と。

私の考えるマイスター制度は、そこに明確な線引きをして、
仕事の価値を二段階に分けることを真の目的としているのです。
(もっと細分化しても良いとは思いますが、携帯電話の料金のように
 複雑化すると分かりやすさに欠け、不正の温床になりますので)

いい仕事ができる人には、それなりの対価を与える。
当然のことです。
(「そんな差別は許せない!」とか騒ぐ人は人間としてのレベルがかなり低い人)

消費者は、いい仕事をして欲しければその分多く払う。
そんなものは必要ない。100円ショップ感覚で成果が得られればいい、と思うなら
従来通りのものを手にすれば良いのです。
(悪いことの例としましたが、100円ショップの製品を開発する人たちは尊敬に値すると思います)

一見当たり前のように見えますが、
こんなことが今の日本では理解されていないのです。
(安くても高品質を求める厚顔無恥な人の多いこと)

だからこそ、分かりやすい制度が必要です。
今までだって、価値の高いものを高値で売る業態はありました。
その多くが、自ら新たな価値を作り出して、それを消費者に理解させることができていたと思います。

これを、マイスターと言う単純明快な制度で誰でもどんな業種でも再現できるようにするのが
景気を上向かせる一つの手だと、私は考えているのです。

より多く給料がもらえるとなれば、
マイスターを目指す若い人だって増えるでしょ?
仕事のやりがいにもつながるはずです。

また長ぁ~い文章になってしまいましたが、
実際自分がマイスターになれるのかどうかはさておき、
給料が増えてもらわないと困るなー、と
広くなった我が家にちょっと心細さを感じる2月なのでした。

春は全然遠いよ。。。
DSC_0155.jpg

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