希望に満ちたアニメ業界 [アニメを作る]
日本のアニメーション作品は好きですか?
私はまさに、アニメを作る側の人間なワケで、
もちろん、好きだからこの現場に身を置いています。
ここでアニメ好きであろう皆さんに、
日本のアニメ業界について質問させてください。
日本のアニメ業界って、
世界の最先端をいくスゴいところだ、
と思いますか?
「当然だ」
「日本のアニメは世界一」
「クールジャパンの筆頭」
そんな答えが聞こえてきそうです。
でも、内情は全く違います。
正反対と言って良い。
日本国民の多くは、アニメーションを見ません。
なので、上記の質問はちょっと意地悪ですね。
数十年前とは違って、現代は年代性別問わず、たくさんの人がアニメを見ています。
そんな人たちでも、アニメ業界の実情は全く見えていないでしょう。
よくアニメを見る、という方、
エンディングクレジットまで見ていますか?
スタッフの名前を覚えていますか?
アニメーションは、絵を描き、
それが動いて見えるように作り上げるものです。
つまり絵を描く人、それこそが大切な要素だと言えます。
今、放送されている多くのアニメーション。
その作画スタッフの半分近くが日本人ではないことを知っていますか?
(実際には日本人を優先してクレジットに乗せるため、半分以上かと)
コンビニのバイトと同じです。
日本人はアニメーターになりたいとは思いません。
芸術を下地にした大変な仕事なのに賃金が安いため、
誰も目指そうとしないのです。当たり前ですね。
この先、外国人スタッフの比率はもっと上がります。
90年代のアメリカのアニメーションに少しヒントがあるでしょう。
当時、アメリカのアニメの多くを、日本で制作していました。
作品の方向性を決める「プリプロダクション」はアメリカでアメリカ人が行いますが、
それ以降の実作業はほとんど日本人がやっていました。
理由は『安くできるから』。
もちろん、要求された品質をクリアできた、というのもそのひとつでした。
気づけば、アメリカのアニメーターはほとんどいなくなってしまった。
そりゃそうです。
ディズニーのアニメーターともなればプール付きの家に住めました。
でも、日本のアニメーターは風呂無しのアパートに、しかもそこにも帰れないような激務を、
引っ越しもできないような安い賃金でこなしていましたから、
誰かがたくさん儲けられる仕組みを作れた、ということでしょうね。
残念なことに、2000年代に入るとアメリカは日本より安い中国に下請を出すようになり、
日本に入るアメリカ作品の仕事は激減しました。
さらに、3DCGの開発により、
アメリカは失った制作現場を国内に取り戻すことに成功します。
アメリカの例と日本の現状。
違うのは、日本は製作費が安いために
3DCGで業界を立て直すことができない、ということですね。
また、3DCGが普及する代わりに
手描き職人の数が減ってしまうことも考えなければいけません。
さて。
このあまりにもブラックな業界、
なんとかする方法があるのでしょうか?
私は、業界自体を立て直す方法は無いと考えています。
つまり、日本のアニメーションはこの後、急速に衰退すると思っています。
ただ、ごく一部の”勝ち組”として生き残ることは可能かもしれません。
うまく時代に魅入られ、
思いがけずヒット作を授かる会社になることです。
ま、狙ってそんなことができるのなら
誰も苦労しないんですけどね。
では最後にこんな記事をご紹介。
『中国を「侵略」した日本アニメ、ここから形勢逆転できるのか=中国』
Searchina. より
この記事の内容は既に現状から遅れています。
中国人による中国国産アニメはたくさん作られていて、
日本でも放送されていたりします。
確かに中国の若者は日本のアニメが好きですが、
長い目で見れば、生まれ育った環境で生み出された作品の方が
親和性が高いのは当然です。
やがて日本人も韓国やヨーロッパ諸国のように、
放送されるアニメを、外国製とも知らずに
自国のものとして見るようになるのです。
え、それが良いものであれば問題ない、って?
ふーんそうですか。
ふ〜ん。。。
私はまさに、アニメを作る側の人間なワケで、
もちろん、好きだからこの現場に身を置いています。
ここでアニメ好きであろう皆さんに、
日本のアニメ業界について質問させてください。
日本のアニメ業界って、
世界の最先端をいくスゴいところだ、
と思いますか?
「当然だ」
「日本のアニメは世界一」
「クールジャパンの筆頭」
そんな答えが聞こえてきそうです。
でも、内情は全く違います。
正反対と言って良い。
日本国民の多くは、アニメーションを見ません。
なので、上記の質問はちょっと意地悪ですね。
数十年前とは違って、現代は年代性別問わず、たくさんの人がアニメを見ています。
そんな人たちでも、アニメ業界の実情は全く見えていないでしょう。
よくアニメを見る、という方、
エンディングクレジットまで見ていますか?
スタッフの名前を覚えていますか?
アニメーションは、絵を描き、
それが動いて見えるように作り上げるものです。
つまり絵を描く人、それこそが大切な要素だと言えます。
今、放送されている多くのアニメーション。
その作画スタッフの半分近くが日本人ではないことを知っていますか?
(実際には日本人を優先してクレジットに乗せるため、半分以上かと)
コンビニのバイトと同じです。
日本人はアニメーターになりたいとは思いません。
芸術を下地にした大変な仕事なのに賃金が安いため、
誰も目指そうとしないのです。当たり前ですね。
この先、外国人スタッフの比率はもっと上がります。
90年代のアメリカのアニメーションに少しヒントがあるでしょう。
当時、アメリカのアニメの多くを、日本で制作していました。
作品の方向性を決める「プリプロダクション」はアメリカでアメリカ人が行いますが、
それ以降の実作業はほとんど日本人がやっていました。
理由は『安くできるから』。
もちろん、要求された品質をクリアできた、というのもそのひとつでした。
気づけば、アメリカのアニメーターはほとんどいなくなってしまった。
そりゃそうです。
ディズニーのアニメーターともなればプール付きの家に住めました。
でも、日本のアニメーターは風呂無しのアパートに、しかもそこにも帰れないような激務を、
引っ越しもできないような安い賃金でこなしていましたから、
誰かがたくさん儲けられる仕組みを作れた、ということでしょうね。
残念なことに、2000年代に入るとアメリカは日本より安い中国に下請を出すようになり、
日本に入るアメリカ作品の仕事は激減しました。
さらに、3DCGの開発により、
アメリカは失った制作現場を国内に取り戻すことに成功します。
アメリカの例と日本の現状。
違うのは、日本は製作費が安いために
3DCGで業界を立て直すことができない、ということですね。
また、3DCGが普及する代わりに
手描き職人の数が減ってしまうことも考えなければいけません。
さて。
このあまりにもブラックな業界、
なんとかする方法があるのでしょうか?
私は、業界自体を立て直す方法は無いと考えています。
つまり、日本のアニメーションはこの後、急速に衰退すると思っています。
ただ、ごく一部の”勝ち組”として生き残ることは可能かもしれません。
うまく時代に魅入られ、
思いがけずヒット作を授かる会社になることです。
ま、狙ってそんなことができるのなら
誰も苦労しないんですけどね。
では最後にこんな記事をご紹介。
『中国を「侵略」した日本アニメ、ここから形勢逆転できるのか=中国』
Searchina. より
この記事の内容は既に現状から遅れています。
中国人による中国国産アニメはたくさん作られていて、
日本でも放送されていたりします。
確かに中国の若者は日本のアニメが好きですが、
長い目で見れば、生まれ育った環境で生み出された作品の方が
親和性が高いのは当然です。
やがて日本人も韓国やヨーロッパ諸国のように、
放送されるアニメを、外国製とも知らずに
自国のものとして見るようになるのです。
え、それが良いものであれば問題ない、って?
ふーんそうですか。
ふ〜ん。。。
家電業界も似たような感じです。
かつては世界を席巻した日本の電気製品が今では韓国製に圧倒されています。性能、デザイン、先進性、価格で勝負できるのは性能ぐらい。
それも勝っているのはほんのわずかな製品、負けいるものも多いです。
先のことを考えずに目の前の利益を優先した結果ですが、寂しいですね。
by TECH-Z1 (2021-06-19 22:57)
「安いものが一番」、と国民が言っているうちは
事態は一向に上向くことはないでしょうね。
SONYもすっかりソフトメーカーになってしまったし。
お金と時間と苦労を伴う開発までアウトソーシング化していくと、
知識や技術は蓄積されないどころか、どんどん失われていきます。
”良いもの”を適正価格で売買できる社会でないと、先はない。
日本、終わってますね。
ま、私が生きてるうちは持ち堪えてくれるでしょうけど。
本当に寂しいです。
by Holyvin (2021-06-20 20:00)