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「これだから日本のアニメは」と中国人に言われる日 [アニメを作る]

今も活況を見せる日本のアニメーション。

でもその内情は、
後継者不足でもうボロボロ。

作品は基本、中国に作業の大部分を発注しています。

ほんの数年前までは、中国の労働者(あえてこう書きます)は
日本からの仕事を歓迎していました。
得られる金額が大きかったからです。
言ってしまえば儲かった。

しかし今、中国の経済が上向くにつれ、
日本から依頼される仕事は旨みの少ないものになっています。
しかも、日本の基準で精査されるものだからたまらない。

ただでさえ儲けが減っているのに、
短時間のくせに要求品質が高い。

現在、日本からのアニメの下請けを営む中国人たちは、
単に金を儲けるのとは違う目的を持っていることも少なくありません。

日本の制作スキルを身につけ、
自分たちのオリジナル作品を世に出すことを夢見る人たちです。

素晴らしいことですよね。
そうでなくちゃ。

かつて日本も世界に、アメリカに追いつき追い越せで
国力を上げてきました。

中国の人たちがそうする事に我々が言えることはありません。

さて、その延長線上にあるのはどんな状況でしょうか?

日本からの仕事を受けてくれる中国企業は減っていき、
日本のアニメーションはその数を大きく減らす事になります。

また、中国人クリエイターの力が上がり、
良質な作品を、しかも大量に発表するようになります。

もうすでに、日本のアニメーションは衰退期に入っているのですよ。

 関連記事:『中国の若者は「もう日本製より中国製がいい」、
            その消費意識に起きているヤバい変化』


最近の国内作品は、
数は多いですが品質はあまり良くはない。

理由はたくさんありますが、その一つに
企画や脚本の弱さが挙げられます。

今、アニメ業界で働く比較的若い人は、
『お約束』の違和感に気付きません。
子供の頃からその便利な表現を見慣れてきたからです。

だから、お話が酷く薄っぺらい。
全くリアルではないし、ロマンもない。

日本のアニメーションを存続させていくためには、
資源を集中するしかありません。

大幅に数を減らし、作品を吟味し、
制作単価を上げ、現場で働く人たちの生活レベルを上げ、
後継者を丁寧に育てるのです。
(数を減らすのは商業作品のみ。アマチュアは1本でも多く作れ!)

アニメの経済効果は恐ろしく高いはずなのに、
現場の人間は歯を食いしばって低賃金に耐え、
将来も見えないまま目の前の作品にかじりついています。

もしも「アニメが好きだ」とあなたが思うのなら、
ぜひこの問題意識を共有して欲しい。

あ、なんかこんな呼びかけは
あの有名な『ソニーの逆説広告』になっちゃうのかな?
こちらの記事、”劣勢と新聞広告”の欄参照)

いやまあ、事実だから仕方がない。

私もいつまで体がもつか分かりません。
権利収入が得られるような企画を残して隠居したい。
これを目標に仕事を続けます。
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